「一三〇〇年カレー」というのを食べてみました。
「奈良・天平時代の食材だけで作る幻の精進薬膳カレー」だそうです。
■1300年前、インド僧が東大寺でカレーを振る舞った?
「一三〇〇年カレー」のパッケージには、以下のような説明があります。
カレーは、釈迦がスパイスを合わせて作った薬膳が始まりだと言われます。東大寺の大仏開眼供養でも、招かれたインド僧 菩提僊那~ぼだいせんな~が薬膳カレーを振る舞っていたとすると、日本で初めてカレーを食べたのは、奈良の人たち…。“1300年カレー”は、そんな想像をふくらませ、当時の素材で作った創作薬膳カレーです。
(株式会社RAHOTSホームページ http://rahotsu.jp/ より引用)
カレーの起源には諸説あって、その中のひとつに釈迦(しゃか)起源説があります。
「青年時代の釈迦が山にこもって修業したとき、木の根や草の実を食べて飢えをしのいだ後、カレという地に下山し、そこで教えを説いたといわれ、その時首にかけた袋の中から有用なたくさんの木の実(スパイス)を取り出して民衆に与えた。民衆は釈迦の教えに感服するとともに、香り高く、諸病を直し、活力の源となるこれらのスパイスを料理や薬用として使うようになり、そのスパイスを土地の名にちなんでカレーと名付けた。」
(S&B カレー.com http://www.sbcurry.com/faq/faq-467/ より引用)
どちらかというと伝説に近いお話ですが、このエピソードにインスピレーションを得て創作されたのが今回の「一三〇〇年カレー」なわけですね。
■唐辛子もターメリックもなくてもカレーと言えるのか?
「一三〇〇年カレー」の特徴はその原材料にあります。
野菜(なす、里芋、大根、蓮根、椎茸、にんにく、生姜)、酒粕、もち粟、植物油脂、味噌、ねり胡麻、蜂蜜、香辛料、胡麻、黒コショウ、山椒、カルダモン
ここには、代表的なカレーのスパイスである、唐辛子、ターメリック(ウコン)、クミンシードの3つが使われていません。唐辛子は辛味を、ターメリックは黄色い色づけと風味を担っています。
果たしてこれらがなくて、“カレーらしさ”が出るのでしょうか?
人によって感想は違うと思いますが、南北インドだけでなく、タイやスリランカ、パキスタン、バングラディシュなどの都内カレー店をカレーマニアの上司に連れられて食べ歩いた経験からすると、これは間違いなくカレーだと思いました。それもレトルトカレーとしては、美味しい部類だと思います。
ルーはかすかに薬膳風の香りがして、味は驚くほどまろやか。個人的には辛味はあまり感じませんでしたが、「カレーを食べている」という実感は間違いなくあります。
辛み成分が、刺激的な唐辛子ではなく、ショウガと胡椒からなっているので、辛いのが苦手な人でもOKかもしれません(著者は極度に辛味に強いので、あくまで参考として)。
刺激的な辛さはありませんが、食べ終わってしばらくしてから、徐々に辛さを感じてきて、身体も暖まってきました。ショウガと胡椒の効果を感じます(あくまで個人の感想です)。
■肉はなし。でも満足感のある大振りな具と食感
レンコン、里芋、しいたけなどの具がゴロゴロ入っていて、食感はなかなかリッチ。とくに大振りなしいたけがいい感じ。柔らかいレンコン、里芋、しいたけに対して、牛蒡(ごぼう)の噛みごたえとかすかな繊維質が複雑な食体験をもたらします。
とろけるほど柔らかいのは、最初一瞬、鶏肉の皮かと思いましたが、実はナスでした。野菜の種類が豊富なので、付け合せも特に必要と感じませんでした。
今回、ライスは「サトウのごはん 宮城県産ひとめぼれ 200g」をチョイスしましたが、なかなか相性が良かったです。
ご飯を電子レンジで温めて、お皿にカレーと一緒に盛って、さらに暖めたため、少しお米が柔らかくなりすぎましたが、意外とそれがマイルドなルーに合っている気もします。ただ、200gだとちょっと個人的には足りず、ルーも余り気味でした。成人男性でしたら、1.5人前300gくらいが適当と思われます。
■奈良の魅力を発信!
この「一三〇〇年カレー」を企画・開発したのは、奈良県の株式会社RAHOTSU(http://rahotsu.jp/)です。
「奈良コンテンツの魅力を県内外に伝える」というコンセプトで事業を行っており、県内では寺社内での各種イベントを企画したり、県外に対しては奈良の情報を発信する奈良県のホームページの運営などを行っています。
そういった奈良県の魅力を発信する手段のひとつとして、この「一三〇〇年カレー」が企画されたようです。ほかにも奈良県の食材を使ったタイ料理店ラホツ(http://www.rahotsu.com/)も運営しています。
果たして、奈良時代の日本にカレーはあったのでしょうか?
遠くインドからの渡来僧が故郷を懐かしんで、異国で手に入る材料だけで故国の料理を再現した……? 彼の慕情に想いを寄せながら、複雑な薬膳の味わいに舌鼓を打ってみるのも一興でしょう。
商品名:一三〇〇年カレー(1300年カレー)
価格:648円(税抜)
販売元:株式会社RAHOTSU
URL:http://rahotsu.jp/
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