ご当地カレーのOEMなどでも知られる“変わり種カレー”の名門、札幌の「北都」さんのラインで、系譜的には、「今夜のお食事に、夜食にいかがですか?ついでに……」とエロティックな余韻を残したコピーのウナギの肝入り「真夜中のカレー」や、“激辛×5(当社製品比)”と実数が入りながらも抽象的な辛さ度数表現でいまいち辛さが伝わらない「悪魔のカレー」の兄弟商品です。
呪怨フォントで
「アナタハ コノ辛サニ 耐エレルカナ…?」
ということですが、
その下の
「完食できたら天国に行けるかも…?」
というシメ台詞が
「悪魔のカレー」と一緒やん……
と多少の落胆を覚えつつ……
※「悪魔のカレー」は正確には
「も・し・も完食できたら本当に天国に行けるかも…ネ?」ですが。
出典:株式会社北都HP http://www.hokuto-co.net/shop/shohinpage/004_1.php
なになに?シリーズ感なの?
中身を見ると、OEMメーカーさん感ありあり(すいません)のホワイトパッケージの右上に
慎ましやかにちょっと斜めって「激辛ビーフ」の明朝プリント。
質感はぶにゅぶにゅコマ切れで、見るからに“具推し”ではないよう。
1.5cm×8mmくらいにカットされたビーフが4カットほど。
ビーフはスジ肉っぽいしっかりした質感。
あとニンジン1切れ。(一般庶民の家の「比較的野菜小さく切る」系のお母さんのニンジンの大きさ)
いざ試食。
・・・・。
かまえたほど辛くはない、が、
「ぜんぜん平気―」、とかではない。
辛い。
辛いのと、
カレーに期待する「うま味」の存在感は薄い。
けれど、フルーティさは強め。
ただ、口が痛くなるほど辛い!わけでなく、
なんだか中途半端に辛い。
「からーい♡」とエキサイティングに盛り上がれない……
消極的に辛い……
消極的に辛い……つらい……
じわじわつらい……
スプーンもぐんぐんとは進まない。
ただ……
粛粛とは進む。
途中で同僚に「そんなに無理して食べなくていいんじゃ……?」と言われ、
ハッと我に還る。
そ、そうだ……。
別に「地獄のカレー」でお腹を満たさないという選択肢もあったのだ。
仮にも罰ゲームとかでもなんでもなく、ただの昼食なのだから……。
カレー皿を見つめながら、幼いころからロープで逃げないように繋がれていたせいで大人になっても足のロープから逃れようともしないサーカスのゾウの話(※)を思い出したりしていました。
※(C)アレクサンダー・ロックハート「自分を磨く方法」
そうか……これが地獄か……
ジワジワと蝕まれつつ、ビビッドな苦痛もないために、ただ悪戯にスプーンをすすめてしまう。
「美味しい!」も「辛い!」もない、生殺し感……
なんて情緒的なコンセプトなんだ!
深い……。
というか……、
結論、この「地獄のカレー」をおなかいっぱいモリモリ食べられる、のは、よほど辛さに強い猛者のみ。
罰ゲームとしてもエキサイトメントに欠ける「いぶし銀」なので、
やはり、辛いモノ玄人が渋く味わう用途におすすめです。
【参考】
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