AKB48・中野郁海がPV出演「どっさり豚肉の梨キーマカレー」で鳥取通になれる?

読者のみなさんは鳥取県をご存知でしょうか? 鳥取県は、日本国にあって全都道府県中面積が7番目に狭く、人口が最も少ない県(※2015年国勢調査調べ)です。

筆者の知人を思い返しても、鳥取出身の人が思い当たらない。最もレアな出身都道府県とも言えるかもしれません。

さて、今回はそんな鳥取からやってきたレトルトカレー『どっさり豚肉の梨キーマカレー』を紹介しましょう。恥ずかしながら、鳥取県のイメージは砂丘の他において何もありませんでした。

しかし、このレトルトカレーについて調べるうちに、鳥取県の特色が見えてきました。鳥取県を知っていた人も、今知った人も注目の一品です。

 

■カレー概要

「どっさり」の「ど」が力強いパッケージ表面

どっさり豚肉の梨キーマカレーは、鳥取県のブランド豚『大山ポーク』を使用したキーマカレー。《カレー好きに、間違いなしお》というキャッチコピーとともに、その理由を以下のように列挙します。

《理由1 キーマカレーにしたのは、鳥取県産の豚ミンチをどっさり詰めたかったから。
理由2 小麦粉不使用だから、アレルギーの方や、グルテンフリー食品を好む方にも安心です。
理由3 梨の旨みが、隠し味にちょうどいい。贅沢な味わいの中にマイルドが生きてます。》

梨のキャラクターや写真が全面に押し出されている一方、《梨の旨みが隠し味》とあるので、梨が前面で自己主張をするのではなく、ほのかに梨の香りがする……そんな味かな? という予感がします。

 

■インパクトのある「とっとりなしお」彼は誰なのか

砂丘に佇む「とっとりなしお」が描かれたパッケージ裏面

さてこのカレー、梨のキモカワ系なキャラクターがパッケージ全体に散りばめられていることが1つの特徴です。

QRコードはリンク切れしてアクセスできず…

裏面には《「ナシのままで生きていく」~とっとりなしおの唄~》なる楽曲のPVの存在が示唆されています。試しにこのQRコードを読んでみたのですが、リンク切れてアクセスできず……。(ドメインは「www」付きか無しかで統一して、一方から他方へのリダイレクトをかけることをオススメします)

PVには、鳥取県出身のAKB48メンバー・中野郁海が出演しているようです。

中野郁海は、2014年にAKB48メンバーとしてデビューし、2018年3月現在、チーム8として活動中の17歳。総選挙では第6回目から連続圏外となっていましたが、第9回では念願の85位にランクイン。

鳥取県の地域振興イベントに積極的に参加しながら、じわじわと人気を上げている言わば“鳥取の英雄”的アイドルと言えるでしょう。

PVでは、バスに乗ったり砂丘に座り込んで遠くを眺める中野郁海が、《大きな夢につぶされるよりも 今日もフツーに生きていく》と何ともネガティブなのかポジティブなのか分からない歌を歌うとっとりなしおと共に映し出されています。

また、公式サイトをみると、《ナシのままで生きていく》、《やる気なしお》、《心配なしお》がキーワードになっており、いわば“三なし主義”を掲げています。

21世紀の現代に『二十世紀梨』のキャラクターとして生まれたとっとりなしお。激動の世紀に存在を規定された彼の紡ぐ言葉が表現する諦観に満ちた世界観から見るに、脱力系な思想の持ち主であることは間違いないでしょう。

しかし気になるのは、ナシのままで生きていくと言いつつも、カレーになってしまっている点です。一貫性をのっけから打破するスタイルも、特色ある三なし主義と言えるのでしょうか。

 

■珍しい「小麦粉不使用」グルテンフリー仕様

実食に移る前に、成分を確認します。小麦粉不使用が本商品の大きな特色であり、確かに小麦粉は含まれていない模様です。和なしピューレや野菜、トマトペースト、そして豚ひき肉を使ってカレー特有のとろみを出しているのではないかと見られます。

しかし、なぜ小麦粉が使われていないのか? 気になるところです。鳥取県は小麦粉の生産量が47都道府県でも下位に属する程度(※農林水産統計による)に少なく、一方で稲作や、らっきょうや白ねぎ、ごぼうといった根菜類の生産が盛んです(※JA鳥取による)。

そのため、原材料にはなるべく県産の農作物を使用したかったのではないでしょうか。

 

■実食!「豚ひき肉」の織りなすとろみは絶品

さあ背景知識も整ったところで、実際の味をみてみましょう。

ご飯を温め、湯煎したレトルトパウチを開けて盛り付けるとこの通り。

見るからに、豚ひき肉がたくさん入っていることが見て取れますね。

スプーンで掬って見てみると、予想通り小麦粉不使用でありながらも豚ひき肉によって十分なとろみを引き出していることがわかります。

一口いただいたところ、口中に広がる豚ひき肉の存在感が強く、食べごたえは抜群です。少々挽きが細かいのか、ドッサリ感はさほどではないでしょう。

ドッサリ感を出すなら、もうすこし粗挽きでも良いのかもしれません。にんじん、たまねぎが原材料として表記されておりますが、それらの存在感は感じられません。これらもまた、とろみ要員なのでしょう。

 

■評価:梨カレーかと思いきや「存在感なしお」

味    :★★★★☆
辛さ   :★★★☆☆
梨感   :★☆☆☆☆

味は間違いない! 美味しいひき肉カレーです。辛さは一般的なレトルトカレーの中辛程度と言えるでしょう。バランスは全く悪くありません。ただし、梨推しのパッケージとは裏腹に梨を感じることはほとんどなく、あくまでも隠し味なのかも。

まさに、存在感なしお!?

 

【参考・動画】

とっとりなしおPV – YouTube

鳥取県の農業 – JAグループ鳥取

平成29年産4麦の収穫量 – 農林水産省

 

 

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。