■悪魔は人間の心の弱さにほくそ笑む
前回の新年一発目のカレーランチ。
年末年始の暴飲暴食で疲れた筆者は、甘口で優しいカレーで疲れた胃腸を癒そうと目論んでいた。
そんな中筆者が担当したのは、激辛の「静岡わさびカレー」で、今度こそは“普通”のカレーが食べたい。“普通”のカレーを食べて、穏やかな年を迎えたいのだ!
しかし、そんな男の心の弱さを、地獄の悪魔が見逃すことはなかった……
■このカレーを食べる者は一切の希望を捨てよ
クジを引く。クジを見る。悪魔のカレーと書いてある。
……悪魔ッ!?
サタンの策謀にハめられた!
辛み成分5倍だって!? “赤い彗星”のシャ〇ですら3倍なのに!
私の平穏な日常はこの悪魔に侵されてしまうというのか……。
いや、そんなのお断りだ。
私は悪魔を食い尽くして平穏な日常を取り戻す!
スプーン片手に、サタンの懐に突撃しようじゃないか!
■地獄の業火に焼かれる胃腸
これは、無謀にも悪魔に挑戦した男の話である。
コロッケという頼れる盾を添えて悪魔に立ち向かう。
悪魔に最初の一太刀を与える男。
悪魔が本領を発揮した。
食べた瞬間、炒めた牛肉とタマネギの甘味が口いっぱいに広がる。
2秒後にまるでさざ波のように小さく、辛みがやってくる。
その5秒後、脳天を貫くような鋭い痛みが口の中を蹂躙する。
思わず肌が粟立つ。隠された悪魔の実力を目の当たりにして怖気づいてしまったのだ。
慌ててコロッケの安全地帯に逃げ込むものの、時すでに遅し。
この男の口腔内を焼きつくした悪魔は、喉を通り過ぎ胃腸へと歩みを進めたのだった……。
■悪魔は死なず。ただ魅了するのみ。
一度は悪魔の侵攻を許してしまった男であったが、その後“アイスクリーム”という強力な傭兵を召喚し、少しずつ、しかし着実に悪魔を喰らっていく。
そしてついに…男は悪魔を完全に倒した。
だがその記録はない。
死地から唇を腫らして帰還した男がそう語るのみである。
果たして、悪魔は本当に倒れたのだろうか?
いや、違う。
確かに悪魔は男に食い尽くされたが、自分の身を犠牲に男に憑依してしまったのだ!
この男の恐ろしい眼差しを見よ。
すでに悪魔になり替わっていると言っても過言ではない。
男は最後にこう語る。
美味しさ ★★★★☆
辛さ ★★★★★
また食べたい度 ★★★★★
あの勇敢な男を魅了するとは。
悪魔のカレーよ、なんと恐ろしい!
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