筆者はレトルトカレーにうんざりしていた。
お鍋でグツグツして、温まったらレンチン白米にタラーッとかけて、最終的に「たいして美味しくないな……」と思いながら食べる。
独身OLがひとり寂しく食べるテキトーご飯という感じがして、切ないのだ。
せめてカレー自体が美味しければ救われるのだろうが、
これまで私が食べてきた(レビューを担当した)カレーは、メロンカレー・バナナカレー・紅芋カレーの3つで、個性的ではあるものの正直どれも美味しくはなかった。
一生懸命働いて、レトルトカレーなんかじゃなくて(失礼)、帝国ホテルやニューオータニあたりのカレーを食べる人生を歩もうと心に決めた。
そんなレトルトカレーに絶望気味の私が、今回ご紹介するのはハチ食品の『百年目のカレー ビーフカレー 中辛』。
パッケージはこれまで私が食べたレトルトカレーよりずっと、高級感が漂っている。
しかし、それだけで私の気持ちが上がるはずもなく、「百年目ってなんだよ。腐ってるんじゃない?」などと悪態をついていた。
※ 国産初のカレー粉製造から100年という意味合いらしい。
箱から、袋を取り出すとこれまた高級感ムンムン。
「百年目のカレー 100th anniversary……」
同じことを2回言っている。金色ピカピカだし……なんて主張の強いカレーだろう。さっさと食べてしまおう。
お湯を沸かしカレーを温めている間、ふとパッケージ裏面を見ると“盛り付け例”が紹介されていた。
なんだこれは!!! 美味しそうではないか! お肉がゴロンと乗っていて、帝国ホテルのビーフカレーに似ている。
一瞬テンションが上りかけた。
……が、筆者は知っている。
レトルトカレーのパッケージに写るお肉は7割増であることを。本当のお肉はもっともっと小さく、薄く、ほぼ見えないんだ。
5分経過。
お皿にサトウのごはんをよそって、上からカレーをかける。
ほらほらほらほら! お肉小さい!
パッケージに載っているお肉よりずっとずっと小さい! しかも少ない!
筆者は騙されなかった。謎に誇らしい気持ちになる。
この分だと、味も期待できないな……。そんなことを思いながら、まずはカレールーをひとくち。
ん!? !? !? !? !? !? !? !? !? !?
もうひとくち。
むむむっ!? !? !? !? !? !? !? !? !? !?!? !? !? !? !? !? !? !? !? !?
信じられない……。レトルトカレーなのに美味しすぎる。
辛すぎず甘すぎず、旨味がギュウギュウに詰まっていて、
ひとくち食べる度に高級洋食屋さんで食事をしている気分になる。カレーというよりはもっと上品な、ビーフストロガノフに近いかもしれない。
お肉も身がしっかりしており、ジューシー。
ついさっきまで、「小さい! 小さい! ほらみたことか!」とバカにしていたお肉が、キラキラ輝いて見える……。美しい。
桜が散ってしまうからこそ美しいように、お肉も小さく少量しか入っていないからこそ、その美味しさを感じることができるのだ。
今、良いこと言った。
筆者は好きなものは最後に食べるタイプだ。お肉は残しながらカレーを食べ進め、最後にガブッといただいた。至福の時間だった。
「百年目のカレー ビーフカレー 中辛」 をAmazonで大量購入しておけば、帝国ホテルにもニューオータニにも行かず、優雅で幸せなカレーライフを送ることができそうだ。
じゃあ、一生懸命働かなくてもいっか。
なーんてね。
今日のひとこと
「レトルトカレーにも美味しいものはある。」
【商品情報と評価】
百年目のカレー ビーフカレー 中辛
¥ 354 / 箱 内容量:1箱あたり220g
味 ★★★ ★★
辛さ ★★☆☆☆
高級感 ★★★★★
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