昔は国民食だった!? 水産業の街・山口県下関から届いた「くじらカレー」

皆様こんにちは。やってまいりましたカレー曜日。

今回は『下関発 文明開化の味 くじらカレー』をご紹介させていただきます。名称はわかりやすくて良いですね。ですがパッケージには気になる煽り文句が。「これぞ日本ならではのカレー」とあります。

いったいどんなところが“ならでは”なのでしょうか? パッケージを詳しく見てみると、どうやらかつて捕鯨基地として栄え、今も調査捕鯨を行う山口県下関市で捕れたくじらを使用しているようです。あれ?いまって捕鯨は規制されていなかったっけ?と思われたそこのあなた! ご安心ください。こちらのレトルトカレーは、国際捕鯨取締条約に基づき、捕獲調査を行ったくじらを使用しています。

ですが、そもそも国際捕鯨取締条約ってなんでしたっけ? なんとなく捕鯨は控えられていることは知っていても、どういう背景でそうなっているかまでは意外と知らないのでは?

せっかく“くじらカレー”を食すので、今回はくじらに詳しくなってから食べていくことにしましょう!

 

■捕鯨の歴史

世界での捕鯨はノルウェー、フランス、スペインにて9世紀ごろに始まり、日本では12世紀ごろ“手銛”での捕鯨を行っていたようです。

日本での捕鯨全盛期は1940年~60年代ごろのようで、主要タンパク源として鯨肉を食していたそうです。しかし物資が確保できるようになり、豊かになった日本はやがて牛肉、豚肉をタンパク源とし、くじらを食べる文化は衰退していったとのこと。ちなみに現在調査捕鯨は、国民の税金から賄われているとのことです。

そんなこんなで1900年代に世界各地で活発となった捕鯨により(世界的には主に鯨油目的)、鯨が激減してしまったため設けられたのが国際捕鯨取締条約です。この条約は、捕獲総許容数を超えた時点で規制をかける制度を採用しているそうです。現在はそんなに食べるチャンスがないということですね。

堅い話になってしまいましたが、要するにかつてはみんなの貴重なタンパク源であり、捕りすぎてしまったから規制がかかっているということですね。(はしょりすぎ)

 

■下関とくじら

山口県下関市は水産業が盛んな土地であり、その中でも“くじら”が水産業発展に大きく貢献していたようです。国内の漁獲量、水産加工物ランキングで常に上位に位置し、商業的に捕鯨を行わなくなった今でも水産業で栄える町として知られています。市内には数多くのくじら料理を扱うお店があり、調査捕鯨基地も有しています。

貴重なタンパク源で下関の名産品……ここまでの話を知ったら、なんだか一口一口を噛みしめて食べなければならない気がしてきました。では早速盛りつけてみましょう!

 

■さあ実食!

鯨肉はそこまで大きくないものの、レトルトカレーにありがちな崩れはなく、しっかり形が保たれ存在感を示しています。

まずはお肉からいただきましょう。脂身が少なく、噛むほどに味が染み出してきました。これはなかなかに美味しいです。ルーにも鯨肉の旨みが溶け込んでおり、まろやかで濃厚。辛さはほとんど感じられず、鯨肉の味わいを存分に楽しむことができました。

 

■総評

味    ★★★★☆

辛さ   ★★☆☆☆

くじら度 ★★★★★

こちらのレトルトカレー、販売は下関特産を多く扱うマル幸商事さんです。まずはお手頃な“くじらカレー”を試し、下関の伝統を味わってみてはいかがでしょうか?

 

【参考】

日本捕鯨協会

下関市公式サイト

 

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