今回ご紹介するカレーは『石巻産宗太カツオとトマトのうまみカレー ~9種類のスパイスがマイルドに香る~』。……商品名の長さよ!
読んで字のごとく、宮城県石巻のカツオとトマトをメインの食材としたカレーです。
ちなみに、このカレーを開発したのは三菱地所株式会社。なぜ不動産デベロッパーがカレーを作ったのか?
実はこのカレーは、東日本大震災の復興支援活動『Rebirth 東北フードプロジェクト』の企画のひとつとして生まれたものなのです。「食べて応援」というやつですね。
「宗太カツオ(ソウダカツオ)」というのは、カツオ(ホンガツオ、マガツオ)とは別の種類のサバに似た40cm程度の魚だそうです。ただ、日本ではマガツオもソウダカツオもひっくるめて「カツオ」と呼んでいるようで、石巻ではサバの次にカツオの水揚げが多く、その中でも小型の「宗太カツオ」を採用したそうです。
その宗太カツオと、同じく石巻産のトマトを使って、東京と仙台の2人のフレンチシェフと石巻の水産加工会社のチームによって作られたのが、このカレーです。
プレスリリースには、以下のようにあります。
宗太カツオは、マリネしてから蒸し、骨まで柔らかくなるよう加熱。酸味のおだやかなトマトのうま味をかけ合わせ、スパイスで奥行きを出したルーには、シェフのアイデアで加工会社の看板商品である「鯨の大和煮」のタレを加えました。
カツオのマリネ、トマト、鯨の大和煮……。およそカレーらしくないキーワードのラインナップですね。果たしてこれでカレーが成立するのでしょうか?
■パウチではなく缶詰!
さまざまな「こだわり」を詰め込んで作られたこのカレーですが、パッケージもレトルトカレーの定番であるパウチではなく、缶詰になっています。
外装はいい意味でカレーらしさも魚の缶詰らしさもなく、オシャレなフレンチっぽいデザイン。プルトップで簡単に開けられ、缶切りいらずでした。こういう商品デザインのスマートさに、大手不動産デベロッパーならではのセンスが活きているのでしょうか。
裏面を見ると、カツオ(宮城県産)、トマト(宮城県産)という記述にもこだわりを感じます。そのほかココナッツミルク、バナナ、リンゴピューレあたりが、シェフの工夫でしょうか。
■限りなくフレンチに近い「魚カレー」
さて、いよいよ実食。普通のカレーと大きく違うのは、カツオの切り身の存在感です。
食べて見ると、ココナッツミルクやバナナ、リンゴピューレのせいかルーは甘め。インド料理店の定番バターチキンカレーを思い出します。酸味の少ないトマトを使っているというだけあって、トマトらしさは感じさせつつマイルドな仕上がりです。「インドのバターチキンカレーをフレンチ寄りにして、メインをチキンからカツオに変えたもの」と表現したら伝わるでしょうか?
ターメリックをスパイスの柱とした、いわゆる「カレー」を期待していると肩すかしを食らいそうですが、逆にインド料理好きのほうが納得しそうな味です。
肝心のカツオ切り身は大きめのが6切れ、ゴロゴロと入っています。
カツオやマグロは加熱するとどうしてもパサパサ感が出るので、日常的に食べるのは刺身やタタキが多くなりますが、このカレーでは「マリネしてから蒸した」というだけあって、繊維質は残しつつもそれほどパサつきは気になりません。
カツオの歯ごたえはかなりしっかり。しかし、固すぎることもない。この絶妙な食感にも、フレンチシェフと水産会社のノウハウが活きているのだと思います。
カツオ以外の具材は、ジャガイモの角切りの柔らかい食感が、対照的なアクセントになっています。
■総評
味 ★★★★★
辛さ ★☆☆☆☆
カレーだけどフレンチ度 ★★★★★
筆者はこのカレー、かなり好きです。カレールーというよりは、フレンチ魚料理のオレンジソースのようで、あと引く味わいが絶妙でした。
また魚好きなので、そういう意味で美味しくいただけました。ただ、鰹独特の歯ごたえや香りが好きかどうかで評価は分かれるかもしれません。
フレンチレストランで、牛や白身魚よりもジビエを選ぶような、ちょっとだけ癖があるメインディッシュを楽しめる派なら、このカレーはおすすめです。
【参考】
※ 食を通じた東日本復興支援活動 「Rebirth 東北フードプロジェクト」 第8弾 オリジナル缶詰「はらくっついTOHOKU」3rdシリーズ 3月3日販売開始
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